中西 悠:Haruka Nakanishi
医学博士
日本耳鼻咽喉科学会認定 耳鼻咽喉科専門医
日本抗加齢医学会認定専門医
(アンチエイジング)
なぜサーファーズイヤーの手術を始めたか
私は和歌山県の出身です。大学進学のため、高校卒業後の21年間を九州の宮崎で過ごしました。
宮崎は国内でも有数のサーフィンのメッカです。大学入学と同時にウインドサーフィンを始めたのですが、その当時憧れていたウェイブライディングの練習のため、20歳になる頃にサーフィンを本格的に開始しました。一年中、波の良い土地柄もあって、すぐにサーフィンに夢中、となりました。
学生時代は、競技としてのサーフィンにどっぷりと浸かって過ごしました。たいした戦績は残せませんでしたが、アマチュアコンテストにも積極的に参加していました。
サーファーズイヤー(外耳道外骨腫)は長年の寒冷水、冷風刺激により外耳道が狭くなる状態です。病変が高度になると、水抜けがとても悪くなり、外耳道炎や難聴の症状が出て、根本的な解決には手術が必要になります。
サーファーズイヤーの名称からは、軽い印象をもたれがちですが、高度な病変の治療は困難で、私が医師になった頃は、耳の手術の権威に聞いて回っても「あれはキレイに手術するのは難しい」と口を揃えていうような疾患でした。
そもそも、日本ではサーファーズイヤーで手術が必要な方が過去には極端に少なく、国内では治療法が発達することがなかったのです。
耳鼻咽喉科になって数年後の2008年、サーフィンの大会でサーファーズイヤーの検診をさせてもらう機会がありました。
その後、継続して各地のサーフィンイベントにお邪魔して、サーファーズイヤー検診や、予防法の啓蒙活動を行うようになりました。
いつしかライフワークのようにサーファーズイヤーについての研究論文執筆、手術に関わるようになりました。
現在は大阪に拠点を置いて、サーファーズイヤー短期滞在手術を全国展開しています。
1990年代頃のサーフィンブームのときに始められた方や、ベテランサーファーの多くが、近年治療を要する時期に差し掛かっています。
手術が必要になったサーファーから尋ねられる「いつから海に入れますか?」の質問に
サーファーとしてベストの答えをお伝えできるよう、治療の工夫し、追求してきました。
私はサーファーズイヤーの手術を、この分野のパイオニアの医師から学んでいます。
カリフォルニア州、サンタクルーズでサーファーズイヤーの革新的な手術法を開発された Dr. Douglas Hetzler
2013年当時、国内ではサーファーズイヤーの治療に経験豊富な方がほとんどいらっしゃらなかったため、私はDr.Douglasに師事することにしました。
Douglas先生は、当時ですでに1000耳以上のサーファーズイヤーの手術経験がありました。
そしてDouglas先生もまたサーファーでした。
耳の中からの切開で、早く治り、しかも耳の神経に安全な手術法を学びました。
帰国後、耳の穴の狭い日本人向けに、手術法を改良し、現在では高度狭窄でも、安定して短期間治療を提供できるようになり、国内外から多くのサーファーが治療に来られています。
手術にかける思い
自分にとってサーフィンは大好きなことでありながらも、なかなか上達せず、続けていくのは楽しいことばかりではありませんでした。
人生で始めて本気で取り組んだスポーツであり、下手くそなりにも、続けてきたことに深い思い入れがあります。
サーファーズイヤーの手術も、始めた当初は思うようにいかないことの連続でした。
当時 すでに耳鼻科専門医を取得後、数年を経ており、ある程度は耳の手術もできるような気になっていたのですが、
大変難しく、サーフィンが絡むと、またこんなビギナーレベルから再スタートなのか、と愕然としたことを覚えています。
今から思えば、恥ずかしい程の未熟者でありました。
耳科手術の基礎を教えていただいた宮崎大学の諸先輩方、
自ら苦労して編み出した技術を、まるごと教えてくれたカリフォルニアの Dr Douglas、
信頼して身を任せてくれるサーファーや、スタッフ、周囲の方から絶え間なく頂いた応援に支えられて
気がついたら、
経験症例数が250耳を超える頃には、手術中に「あ...なんか骨の気持ちがわかる気がする...」とつぶやくようになり
400耳を超える頃には どんなに高度なサーファーズイヤーでも治せるのは当然。
どこまでキレイに手術できるか、早く治癒させるか、というところまでこれました。
遠方のサーファーを多くお迎えして手術していますが
これはいつもとちょっと違うカタチのサーフトリップのようなものです。
サーフィンでは、友人と一緒に海に入って楽しむことを「セッション」という風に表現することがあります。
手術は、まさに麻酔で眠っているサーファーとのセッションのように感じられます。
この手術は「サーフィンを続けていくための手術」
手術中は、硬い硬い骨を削りつつ、その方のサーフィン人生に思いを馳せます。
難しいケースは、大変なビッグウェーブのように感じられます。
いつも最高の手術にしたい、と限界手前まで見ようとするので、
手術中は、奥歯をギリギリ噛み締めながら、耐えるように操作しなければならない場面もあるのですが、
これが私にとってのサーフィンの続きなんだと念じながら、ベストの治療を提供できるよう努めています。
あなたがこの先サーフィンを続けていくために、私が必要になったとき、
医師としてだけでなく、サーファーとして最良のセッションへご案内する覚悟です。
波がデカイときに、一緒に入る人間がビギナーだったら、自分の波乗りに集中できませんよね。
よいガイドになれたらと思い、このホームページのタイトルを サーファーズイヤー手術ガイドとしました。
「サーフィンの調子良くなったよ」の声が聞けるように、最新のシェイプで整えます。
お会いできることを楽しみにしています。
中西 悠
略歴
1995.4 宮崎大学入学を機に、ウインドサーフィン開始
1997.4 ロングボード開始 (サーフィン)
1998.8 全日本医科歯科サーフィン選手権 ロングボード部門 優勝
2001.7 オール九州サーフユニオン ロングボードAクラス4位
2002.3 宮崎大学 医学部 医学科 卒業
2002.5 宮崎大学 耳鼻咽喉・頭頸部外科学講座 医員
2004.3 県立宮崎病院 耳鼻咽喉科 医員
2005.6 ショートボード開始(サーフィン)
2005.4 宮崎大学 耳鼻咽喉・頭頸部外科学講座 医員
2007.3 県立日南病院 耳鼻咽喉科 副医長
2008.9 世界難聴者サーフィン選手権宮崎大会 にて サーファー向けのサーファーズイヤー検診を開始。以後、各地のサーフィン大会や関連イベントで検診を行うこととなる。
2009.10 日本耳科学会奨励賞受賞 受賞論文:緊張部穿孔に伴う、いわゆる二次性真珠腫の検討:Otology Japan,18(5):659-664,2008
2010.5 宮崎大学サーファーズイヤー開設サイト開始(現行サイトの前身)
2011.7 宮崎大学 耳鼻咽喉・頭頸部外科学講座 助教
2011.7 Surfer's medical association annual meeting 講演「Surfer's Ear」
2012.3 スタンドアップパドルサーフィン開始
2012.4 Triological Society annual meeting にてポスター賞受賞
poster award 1st place (Otology & Neurotlogy)
2012.7 Surfer's medical association annual meeting 講演「Advanced treatment of Surfer's Ear」
2012.12 日本耳鼻咽喉科学会誌 専門医通信執筆「サーファーズイヤーの取り扱い」日耳鼻, 115(12): 1054-1055, 2012
2012.12 Pipeline conference Hawaii, USAにて講演「Surfer's ear」
2013.6 プールライディング開始(スケートボード)
2013.7 Santa Cruz California, USA. Dr.Douglas Hetzlerのもとで 耳の神経に安全で、早期のサーフィン再開を可能とする耳内切開の手術法を学ぶ。
2013.10 第23回 日本耳科学会総会パネルディスカッション「短期滞在手術」パネリスト:演題 サーファーズイヤーに対する短期滞在手術
2014.7 Surfer's medical association annual meeting 講演「Advanced treatment of Surfer's Ear」
2014.7 日本耳鼻咽喉科学会九州連合大会にて教育講演「サーファーズイヤーの取り扱い」
2015.10 Santa Cruz California,USA にてDr.Douglas Hetzlerより治療困難な高度、再発サーファーズイヤー症例についての手術法を学ぶ
2015.12 宮崎大学 耳鼻咽喉・頭頸部外科学講座 講師
2017.4 耳鼻咽喉科サージクリニック 老木医院 医員
2017.7 いびき・睡眠時無呼吸から抗加齢を考えるサイト SASCARE 開始
2018.5 今日の耳鼻咽喉科・頭頸部外科の治療指針 第4版「サーファーズイヤー」担当執筆。
2018.9 Santa Cruz California,USA にてDr.Douglas Hetzlerとサーファーズイヤーの手術器具の開発会議
2019.1 海外サーファー向け サーファーズイヤー治療ガイド 開始
2019.10 はるか耳鼻咽喉科 院長
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